Q.昼休み中の電話応対は労働時間ですか?

Q. うちの会社の昼休みは12時から午後1時までです。この時間にお昼を食べますが、お客さんから電話がかかってくることがあるので、応対をするため、社内にいます。 この時間は労働時間にあたるんでしょうか? A. 労働基準法32条のいう労働時間は、客観的にみて、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できる時間を言います。また、判例から、労働からの解放が保障されているかどうかも基準の一つとなっています。 本件の事案では、社員は、昼休みに、会社の指示によって、電話当番をしています。電話がかかってくる可能性がほぼない状態だと認められる場合は、指揮命令下ではなく、労働からの解放が保障されていると判断される可能性が高いですが、そうでなければ、労働時間とみなされます。 ちなみに、休憩時間は労働基準法において、①途中付与の原則(労基法34条1項)、②一斉付与の原則(労基法34条2項)、③自由利用の原則(労基法34条3項)が定められています。 電話番をしなければならないということは、休憩時間の自由利用ではないということになり、休憩時間とはみなされません。

Q.海外出張の移動時間は労働時間に該当するのでしょうか?

A.出張を目的とする移動時間については、指揮命令下にあり、具体的な業務の指示がある場合以外は、多くの場合、労働時間とは取り扱いません。 労働時間かどうかの判断は、場所的拘束、時間的拘束、規律上の拘束、業務の内容、遂行方法上の拘束の有無といった要素を基に、指揮命令の有無から判断されます。   労働基準法第32条の労働時間は、社員が会社の指揮命令下に置かれている時間をいいます。 出張は、労基法38条2第1項の事業場外労働のみなし労働時間制が適用される会社では、移動時間を含め、労働時間を算定しがたいものとして、所定労働時間労働したものとみなす取り扱いをしています。事業場外労働のみなし労働時間制の適用がない会社であっても、移動中の新幹線や航空機内での過ごし方については、社員の自由に委ねられている場合が多く、会社の指揮命令下に置かれているとは言えず、労働時間には該当しないと考えられます。  しかし、移動中に会社から指示を受けて、業務を遂行しているのであれば、労働時間となります。 それでは、休日に出張のため移動する場合はどうでしょうか? 上記と同じ理由で、やはり、指揮命令下に社員が置かれていなければ、労働時間には該当しないため、時間外手当の支払の必要は無いことになります。 「休日の出張」と題する以下の通達が御座います。 「出張中の休日はその日に旅行する等の場合であっても、旅行中における物品監視等別段の指示がある場合のほかは休日労働として取り扱わなくても差し支えない」 この通達は、休日に移動する場合、格別の業務に従事せず、異動のために旅行する場合には、労働基準法上の休日労働と扱わなくても良い、という解釈です。こちらの解釈によって、多くの企業では休日割増賃金手当等は支払わず、日当や出張手当のみで移動日については対応しています。 社会保険労務士 星 美穂